2023/12/21 22:11


スペシャルティコーヒーの魅力といえば何でしょうか?





その一つにトレーサビリティ(情報の透明性)があります。



どこの地域で生産していて、どのような工程を経て日本に届くか明確であるからこそ、目の前にあるコーヒーがなぜこの味わいになったか想像するが出来ます。



私なりの解釈かつ端的になりますが、コーヒーの味わいを決める要素として大きく2つあると思います。



①テロワール(自然環境)

 土壌・温度・天候・標高・品種


②プロセス(生産処理方法)

発酵・脱穀・乾燥



テロワールは名の通り自然による影響が大きいのに対し、プロセスに関してはプロデューサーの意志やテクニックによる要素が大きいと考えています。


プロセスとは、コーヒーチェリーを収穫した後に行う工程のことを指し、伝統的な方法としてナチュラルプロセスやウォッシュドプロセスがあります。プロセスの種類によって発酵・脱穀・乾燥の手法や手順が異なります。



発酵感が強くファンキーな味わいが好きなプロデューサーは発酵をより強くしたり、繊細なコーヒーが好きなプロデューサーは乾燥をより慎重にしたりします。


現在スペシャルティコーヒーの世界ではプロセスの多様化が進んでいます。

当店をご利用していただいているお客様はアナエロビックプロセスという名前を聞いたことがあるかと思いますが、これも新しいプロセスです。


こういった “ プロセスの多様化 “ を語る上で欠かせない人物が Sasa Sestic /ササ・セスティック氏 です。


2015年バリスタ世界チャンピオンに輝き、その大会では新しいプロセス “ カーボニック・マセレーション ” をお披露目したことで新しいプロセスの可能性を見出しました。


この方の存在によってプロセスの多様化が躍進したと言っても過言ではないでしょう。


カーボニック・マセレーション(Carbonic Maceration)の具体的な方法は収穫したコーヒーチェリーを密閉されたステンレスタンクに入れ、二酸化炭素を注入し発酵させます。


これにより発酵をコントロールしテロワールの風味特性をより最大化させ、その上で一貫性を持った生産が出来るようになります。



この度Sasa Sestic氏が運営するProject Origin社から仕入れたコーヒーをご紹介させていただきます。


今回はカーボニック・マセレーションの魅力をよりわかりやすくお伝えできればと思い2種のコーヒーを調達しました。


エチオピアの同じ農園(ウォッシングステーション)より

伝統的なウォッシュドプロセス Masina Washed Green Labelと

カーボニック・マセレーションのコーヒー Masina CMW Diamond#0422をご用意させていただきました。


飲み比べをしていただくとカーボニック・マセレーションを用いたロットがより洗練された味わいで果実感をより一層感じていただけるかと思います。


革新的で楽しい体験ができる素晴らしいコーヒーです。


今後もProject Origin社のコーヒーを調達したいと思います。

カーボニックマセレーションセレクションは味わいの印象によって5つに分類されており特徴的な味わいもそれぞれ魅力的です。


今後もプロセスの多様化に注目していただけたら嬉しいです。



[ 参照 ]


Project Origin Official site

https://projectorigin.coffee/cm-selections/


Sasa Sestic - Final presentation WBC15

https://www.youtube.com/watch?v=7jttyvyUGpI


CM Selections Flavour Spectrum

https://projectorigin.coffee/wp-content/uploads/2022/02/ProjectOrigin-CM-Selections-Flavour-Spectrum-Light-Version.pdf




2023年9月ササ・セスティック氏と記念撮影させていただきました